団体概要
本研究会は、2018年に子宮鏡を専門とする産婦人科医を中心として設立された学術団体です。
産婦人科領域の内視鏡手術は、腹腔鏡手術とともに子宮鏡による検査、手術などが展開され時代のニーズと共に発展を遂げてきました。
本研究会はこのニーズを広げ、子宮鏡を中心とする子宮頸管、子宮内腔の機能、病態、診断、検査、治療などについて多いに議論を深め、更なる子宮鏡領域の発展を目的とし、以下の事業を行います。
1)毎年1回以上の学術講演会開催および教育セミナー
2)機関誌及びその他必要な出版物の刊行
3)子宮鏡に関する教育・指導の確立
4)全国の関連学会、研究会、地方会等との連絡および連携
5)会員の技術認定
6)会員の教育研修
7)その他本会の目的に必要な調査・研究・知識普及など事業
代表理事挨拶
日本子宮鏡研究会 代表理事
順天堂大学医学部附属 順天堂東京江東高齢者医療センター 婦人科
齊藤寿一郎
<私たちがめざすもの>
子宮鏡の対象となる子宮腔内の病変は、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどの良性疾患はもとより、慢性子宮内膜炎、子宮腔癒着症、子宮奇形である中隔子宮、周産期領域ではRetained products of conception(RPOC)や帝王切開瘢痕症候群、子宮体癌に代表される悪性疾患も含まれます。一般産婦人科をはじめ、生殖、周産期、悪性と産婦人科のすべての領域が対象です。その症状は月経異常、不正子宮出血、貧血などで、妊孕性への影響も生じます。
日本子宮鏡研究会は、従来から子宮鏡に従事している日本産科婦人科内視鏡学会会員中堅の有志によって2018年に設立されました。
子宮鏡の有用性と今後の発展を深く認識していたメンバーは、普及が広がらないことに以前から憤りを感じておりその推進の方策について真剣に議論を重ねました。現在までに、子宮鏡の解説書『新常識 子宮鏡を極める』の出版、日本子宮鏡研究会学術講演会・子宮鏡ハンズオンセミナー・子宮鏡教育セミナーの開催を行っています。
細径硬性子宮鏡や組織切除回収システム(シェーバー/モルセレーター)など新たな機器も数多く登場して子宮鏡を取り巻く環境は劇的に変化しました。従来、手術は入院して行うことがほとんどでしたが、最近では一部の症例が外来診察室あるいは処置室で行われています。
私たちは、この状況の正確な情報や新たな検査・手術手技をいち早く多くの産婦人科医に届け、『低侵襲・小さい負担で、大きな効果・明るい日常』が得られる子宮鏡が日本中に広く普及して多くの女性の健康に寄与できるようにしたいと考えています。
過去三十数年で経腟超音波が産婦人科医療で日常化したように、『いつでも、どこでも、だれでも』子宮鏡の検査と手術が可能となる環境をめざします。